#034 結果が出るビジネスの教科書

四宮資子(経営者のためのパーソナルコンサルタント)

 

ドラッカーの著作との出会いは2007年、最初の本は『創造する経営者』〔1964年〕だった。知人が“ドラッカーマニアのオジサマ”にお願いして読書会を開催している場に仲間入りした。幸運だったことに、そのオジサマは、ドラッカーの読み方そのものを教えてくれた。

「原理・原則」が書かれているので、それをどう実践していくか? が重要。
自分の仕事にどう生かすか?

という問いかけが毎回重ねられ、この1冊の読書を通して、私はドラッカーの「使い方」を学ぶことができた。

数年後、私は、非営利組織のトップの方と出会い、「うちの組織を再生してほしい」という依頼を受けた。そこでまず手にしたのが『非営利組織の経営』〔1991年〕。この本を徹底的に読み込み、原理・原則の部分を抜き出していった。そうして、ゼロベースでその組織の骨組みを作っていった。

ヴォランティアを多く抱えていたその組織に、まず投入したのは次の概念だった。

「ヴォランティアは、報酬を、得ていないからこそ、自らの貢献から満足を、得なければならない。したがって、無給であってもスタッフとしてマネジメントされなければならない」

『非営利組織の経営』から抽出した「原理・原則」を粛々と実行して、1年で結果が出た。

「How to」には条件や環境のしばりがある。「原理・原則」ならば、どのようなケースでも対応し、見合った形で導いていかれる。

誰かが作ったやり方、つまり「メソッド」を実行しきれず「イノベーション」してしまう私には、「原理・原則」を元にいかようにも、「創造」「イノベーション」できるドラッカーがビジネスの教科書として最適なのである。

  • ドラッカー学会 Drucker Workshop