#026 組織を通じて成果をあげるために

鈴木利和(一般社団法人 地域エネルギー創発ネット 理事)

 

「全員がリーダーシップを発揮する創造的な組織」づくりに取り組む組織コンサルタントをしています。大学の体育会で、20年ぶりに全日本の準決勝に進出したチームづくりの経験がなんとも快感で、あのような場をどうやったら再現できるのかを試行錯誤し続けてきました。その中で、ドラッカーとの出会いは、三度ありました。

最初の出会いは、リクルートで制度化された実態として。創業者の江副浩正氏は、就職することなく起業したため、組織で働いた経験がなく、経営にあたって、大学の友人から薦められた『現代への経営』を手本に組織づくりを進め、とくに「PC制度」と皆経営者主義を掲げ、PC長に大幅な自由を認めました。

二度目は本を通じて。最も記憶に残っているのは、『プロフェッショナルの条件』で紹介された7つの教訓です。入社して10年ほど経ち、成果支援の方法を研究し実践する部署に異動し、MBAに通っていた時期で、本も一通り読み研修などにコンセプトを取り込んでいました。

三度目は、自らの実践知をドラッカーの概念と対比する形で。昨年のことですが、安冨歩先生から薦められた『ドラッカーと論語』を通じて、本質は顧客を理解し、自らを理解し(マーケティング)成果をあげるために、自らを役立つものへと変える(イノベーション)ことだと知りました。

結局、自分がやってきたことは、知識労働者が組織を通じて成果をあげるために、顧客の何にどのように貢献するのか成果の定義をし、実現に向けて強みを発揮するチームをデザインし、限界に挑み修正し続けることだったのです。

  • ドラッカー学会 Drucker Workshop