#004 苦しい時こそドラッカーの言葉は身に沁みる
和光良一(株式会社日興電機製作所 代表取締役社長)
苦しい時こそドラッカーの言葉は身に沁みる。急逝した父の会社を継いで4年が過ぎた頃、ある事業の撤退に悩んでいた私は『経営者の条件』を読み、その撤退を成し遂げることこそが社長の仕事だと知った。
それが働く人たちの強みを活かすことに繋がるからだ。赤字なので悩むまでもなく止めるべきだったのだが迷っていた。とにかく続けることが継いだ自分の仕事だという気がしていた。そんな迷妄をドラッカーの言葉が払ってくれた。
それからドラッカーにのめり込んでいった私の心を捉えたのは、しかし、なぜか社会生態学系の本だった。『ポスト資本主義社会』では、歴史のダイナミズムに自分の人生が組み込まれたように感じて興奮した。
ちっぽけな私が、もし人類のお役に立てることがあるとしたら、それはドラッカーを学び、実践することだけだろう。ドラッカーを学ぶには読書会が最適だ。だから、私は、今日もどこかでドラッカー読書会に参加している。