#032 Innovation is Immitegration!

Katsuya Yoshida(製造物流小売業商品開発研究所、ワークショップデザイナー)

 

「吉田さん、トラック協会からお電話です!」

10年ほど前のある日の午後の会社での出来事である。まだ固定電話だったころの話。真相は「ドラッカー学会事務局」から入会承諾の連絡だ。友人たちとは違い、社内でドラッカー論を話せる仲間が皆無なのだ。

ドラッカー・スクールは、イトーヨーカドーの伊藤さんの寄付から始まったはずだから、流通業で働く人には馴染みがあると思っていたが―。そう教授の言う通り流通は、最後の暗黒大陸だった。

そんなことがあってもう10年、『もしドラ』のおかげで、少しは社内に浸透したかもしれない。だが、いまだに私がドラッカリアンであることに気づいていない人たちもたくさんいる。そう私は、「隠れドラッカリアン」なのだ。この背徳感が私は結構好きだ。隠れて悪いことしているみたいな感じがするだろ……。

28歳のとき、教授は私に「イノベーションを普段の仕事にしろ!」と言われた(そう聞こえた)。そこには「イノベーションはだれにでもできるモノなんだ」と素直に思った若者がいた。

今ここには、「イノベーションとマーケティングを同時にできるのは創業者だけなのかもしれない」と思っている中年がいる。組織が、「何が正しいか」ではなく「誰が正しいのか」になっていることに抗う者がいる。

見てくれていますか? 教授、世の中には課題がたくさん残っています。私はまだまだ頑張ります。イノベーションなんて簡単ですよ。上手く模倣(まね)ればいいんです。54歳老眼の石臼挽きの独り言です。

  • ドラッカー学会 Drucker Workshop