われわれはいかに働き、どう生きるべきか

上田惇生訳/ダイヤモンド社
仕事と人生のシンプルな指南書

今、人と社会は深刻な生き方と働き方の危機を迎えています。現代社会の不安を見るほどに、真に豊かな生き方、働き方をどう考えるかが意味を持ちます。

秘蔵されていた音声テープから制作されたのが本書です。ドラッカーが一般のビジネスパーソンに対して、どうしても伝えたいと願った言葉がそこにあります。対話形式でわかりやすく、楽しく、スマートに展開されています。「非常に」濃く、実践的であり、コンサルタントとしてのドラッカーの肉声が響く本です。

コンパクトな本でありながら、はっと胸を突く熱をもった一冊です。直接ドラッカーが助言してくれているかのように、読者に寄り添い、生き生きと血の通った言葉の数々。対話から浮かび上がる、もう一人の知の巨人の姿。

仕事も人生もは果てしなく続く意思決定の連続です。私たちを取り巻く日常の要所でドラッカーが適切な助言をしてくれたら・・・。とりわけ、あらゆる局面で独自の判断を迫られる方に手に取ってほしい一冊です。現実を見据え、現場と対話しながら歴史から学ぶ。そのなかで、吟味された言葉で、生き方と働き方のこつを具体的に伝授してくれます。

人間関係や将来のことで悩んだら、ぜひページを開いてみてください。複雑に見える人と社会の構造をわかりやすく整理し、新しい可能性を展望する知恵がそこかしこに息づいています。ドラッカーの語る人生論・仕事論には心惹かれる話題が尽きないのです。

  • ドラッカー学会 Drucker Workshop