プロフェッショナルの条件

(上田惇生編訳/ダイヤモンド社)

 

本書はドラッカーの数々の著作を、一人ひとりの人間に焦点を当てて再編集したものである。時間の使い方から上司との付き合い方まで、仕事のヒントになる実践的内容が多いのが特徴だ。ドラッカーは言う。

「成果をあげる人とあげない人との差は、才能ではない。頭の良さでもない。いくつかの習慣的姿勢、基礎的な方法を身に付けているかどうかである。成果をあげるのは難しくない。これらを知っているかどうかの違いである」

ドラッカーはコンサルティングの仕事を通じて、一流の会社や一流の仕事をしている人たちを観察し、話を聞くことで、組織で働くうえでのさまざまな知恵を得た。それを授けてくれるのが本書である。

現代では、企業をはじめとする組織社会が当たり前のようになっているが、じつは組織というものが“発明”されてから、まだ200年程度しか経っていない。「組織というものは最近の発明であるがゆえに、人はまだそれを生かすことに優れるにいたっていない」という。

たとえば、会社でポストが変わった途端に仕事がうまくいかなくなる人がいる。新しいポストについたら、そこで要求されることを一から行わなければならない。「今までうまくいっていたから」といって、同じことを続けていたらどうなるか。

組織の中で仕事がうまくいくための条件は、才能でも頭の良さでもない。この一点に気づくだけでも、本書を読む価値はある。

刊行から15年以上を経た今日でさえ、ビジネス書のベストセラーとして多くの支持を集めている。ぜひ何度もていねいに読み返し、自己研鑽に役立ててほしい。

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