マネジメント【エッセンシャル版】

(上田惇生編訳/ダイヤモンド社)

 

ドラッカーを形容する最もポピュラーな言い回しの一つに「マネジメントの父」というものがある。まさに、ドラッカーの全業績の中のど真ん中を射抜くのが本書である。

「マネジメント」における基本的な問題意識は、「どうすれば組織を活用して成果をあげうるか」にある。そして、現代組織のマネジメントに必要とされるものとして、以下の三つを挙げている。

●本業を通じて社会に貢献すること
●人という資源を生産的にすること
●社会的責任を果たすこと

言われてみれば何ということはないと思うかもしれない。しかし、この三つこそが、時代の最先端をも説明しうる普遍性を持っている。企業という枠をはるかに超え、医療、福祉、教育などの分野やNPO・NGOまで、あらゆる組織に適用可能である。

本書は、グローバル企業やプロフェッショナル人材の処遇など、現代のビジネスにおける課題も余すところなく視野に収めている。原書が1970年代初に書かれたことに驚かされる。

『マネジメント』の原典は分厚く、読みとおすのは容易ではないが、このエッセンシャル版はマネジメントの本質を理解するうえでのポイントが押さえられており、初学者でも手に取りやすい。

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