経営者に贈る5つの質問

(上田惇生訳/ダイヤモンド社)

 

ドラッカーは“答えを指し示す人”ではなく、“問いを発する人”だ。それは、葛藤が人を成長させる原動力であることを理解していたためである。葛藤なきところに成長はない。

ドラッカーのコンサルタントとしての叡智が凝縮されているのが、次の5つの質問である。

①われわれのミッションは何か
②われわれの顧客は誰か
③顧客にとっての価値は何か
④われわれにとっての成果は何か
⑤われわれの計画は何か

この順番に意味がある。きちんと順を追って①から⑤まで考え抜き、そして①に戻る。これを何度も何度も繰り返すことをドラッカーは勧めている。

きわめてシンプルな問いでありながら、この5つに答えるのは簡単ではない。なかなか焦点を結ばないかもしれない。それでいいのである。問いと格闘し、徹底的に考えることそれ自体が、人の自律的成長の第一歩だからだ。

よい問いは、生産的な葛藤を生む。よい葛藤を意識的に内側に引き込むからこそ、人は本当の意味での思考を開始するのだ。

この5つの質問は、企業の経営者をはじめNPO、病院、行政、学校などで幅広く役立てられている。

  • ドラッカー学会 Drucker Workshop