ドラッカー流 自らをマネジメントする「フィードバック」手帳
井坂康志/かんき出版
仕事と人生でドラッカーを使いこなすシンプルな「しかけ」
フィードバックはマネジメントを司る中核的なソフトウェアであり、その占める比重はますます大きくなっているように感じられます。フィードバックとはいったい何なのか。どのように作用し、どのように利用されるのか。この究極のソフトウェアを制御するハードウェアは一冊の手帳とペン。これが「フィードバック手帳」です。
フィードバックには困難なもの、息苦しいものは何もありません。洪水のように情報が溢れる現代だからこそ、自分自身のなかにあるかけがえのない精神的資源、すなわち「強み」に目を向けるべきなのです。私たちの無意識のなかで眠る強みを表に引きずり出し、クリーニングして、研ぎ上げていく。強みをシステム化して徹底的に活用していく。
強みとは身近でありながら意外に知られていません。いや、ごく近年まで、強みなど知っていても役には立ちませんでした。現代は知識社会です。20世紀、社会は過去を壊すことに急で、生かすべきもの、創造すべきものにあまりにも鈍感でした。こうして失われたもののなかに、強みがありました。
強みは知識社会において役に立ちます。さらには、自身の仕事や人生にどう役立てるか、すなわち、「ドラッカー実践活用法」を教える一冊でもあります。自分の強みは何であり、どのように使えるのかを深く考える。そのための伴走者となるのが手帳なのです。フィードバックについて知る中で、強みに込められたドラッカーの思いもまた浮かび上がってくるでしょう。